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interview

あえてコンパクトに
内と外を繋ぐ家

工務店:フクダロングライフデザイン

今回お邪魔したのは大阪府池田市のSさん宅。「太陽光・熱・風」といった自然エネルギーを利用するパッシブデザインで設計された、木と光と風の心地よい家でした。

家を建てようと思ったきっかけは?

旦那さん(以下、夫)「正直僕自身は家にはまったく興味なかったんです。ところが、フクダさんのお客様、いわゆる施主様のお宅へ夫婦揃って行ったことがありまして。お家にあがらせてもらったときに、妻がはじめてですね、私この家欲しいって言ったんですね」

奥さん(以下、妻)「はい。それがきっかけですね」

夫「その施主様もミシンを使われる奥様だったんで、ホビースペースの作り方だとか、家全体の雰囲気、それがすごく彼女にはビビッときたんですね。ただその時は実現するとは夢にも思ってなかったですし、『なんちゅうことを言うねん』ぐらいの感じやったんですけども」

どんな家にしたかったですか?

夫「流行りに左右されるものでもなくて、長く愛される家。当然古くはなっていっても、メンテナンスしながらずっと使い続けていって、自分たちだけではなくて代々受け継いでいく家。30年とかで終わるような家ではなくて。そういった家を僕たちも目指していたなかで、フクダさんも無垢の材料をもともと使っていらしたりと非常に魅力を感じておりました」

パッシブ冷暖*を使っていかがですか?

妻「真夏と真冬は24時間、使い始めたら消すことなくずっとつけています。なので、常に快適な室温で過ごせてます。春と秋はつけていません。オール電化なんですけど、電気代は一番高い冬でも月2万円くらい。夏だと1万円切っているときもあるので、エアコンを使っている時間に比べると光熱費はかなり抑えられてるなって感じています。太陽光発電の売電も入れると、光熱費を支払ってるっていう感覚がないくらいです」

夫「玄関のドアを開ければ、快適な温度・湿度が保たれておりますので、もう玄関さえ入ればどこの部屋にいっても快適で温度差なく本当にストレスなく暮らせています。なおかつ低コスト。本当です。間違いないです」

* 床上にエアコンを置き冷暖気を床下に送る床下冷暖房システム。

夫「梅雨時期なんていうのは本当に快適なんですよ。これがびっくりするぐらいに。これが漆喰の効果なんかなと思いながらもう何年か住んでるんですけど」

フクダロングライフデザインは漆喰が標準仕様とのことですが、使ってみての感想は?

妻「去年の梅雨だったと思うんですけど、雨が続いたときにずっと洗濯物を室内干しにしていたんですね。で、1週間くらいきっと干してたと思うんですけど、毎日翌朝には乾いていて、且つ、室内がそんなにじめじめっていう感じがなかったのは、やっぱり漆喰のおかげかなと思ったりしてます」

無垢材の床板はどうですか?

夫「僕の実家がですね、廊下には無垢材を使っていて、改築したときにリビングに合板フローリングを使ったんですね。やっぱり、それが年数とともにちょっと痛んでくるんですよ。そうなったときに、廊下の方がしゃんとしてるんです。無垢材を使った廊下の方が。で、当然そっちの方が、味わいも出て、光沢も出てすごく良いんですよね。まさしく僕たちが欲しいのはこっちやなと思って、無垢材の床板にしてよかったなと思ってます。彼女が一番立ってるキッチンが、やっぱり良いツヤが出てるんですね」

敷地内に木が多いですね。

設計担当「南側に落葉樹を植えていらっしゃるんですよね。夏に室内に太陽光がたくさん入ってしまうと、温度上昇に伴ってエアコンをたくさん回すことになり光熱費が高くなってしまいます。そこで、庇(ひさし)を伸ばしたり建築的に対策を取りつつ、さらに外構計画で落葉樹を植えることで夏はしっかりと葉が生い茂って太陽光を防いでくれる。反対に太陽の光を部屋に取り入れたい冬には、落葉樹の葉が落ちて太陽光をしっかりと部屋に導いてくれると。そういう計画ですね」

家のサイズにはこだわりが?

夫「実家がすぐ近くで、同居してたんですよね。僕の両親と。まあ言ったら大家族で、日本家屋の築50〜60年の家に住んでいました。やっぱりすごく不便を感じてたっていうのが正直なところで、広いけど使ってない部屋多いな、広いから余計寒いやん、とか。ものすごく切実やったんですね。なおかつ大家族だから、北側の狭いダイニングできゅうきゅうになってごはん食べるんですね。日本家屋ってそうなんですよ。おもてなしの文化なんで、南の座敷はいつか来るであろうお客様のために年中空けてるんですよね。で、日の当たらないところでずっといてる。

そんな経験があったので、まず小さい家を目指しました。でも、せせこましいような間取りにはせず快適に暮らせるような。矛盾はしてるかもしれないんですけど、それを上手く実現していただけたんじゃないかなと思ってます。小さく建てて外に緑がいっぱいあると良いと思いますよ。住んでいて実感します」

自然のエネルギーや作用を上手に取り入れ、なおかつ周辺の環境に溶け込む家。とても素敵だと思いました。今日はありがとうございました。

(編集後記)
今回訪れたS邸があるのは、池田市の中でも自然に近いエリア。周囲に高い建物がなく隣家との距離も程よく離れている場所なので、太陽の光を遮るものがなく、風通しもよくて、まさに風土と暮らす家という佇まいでした。まだ植えられて間もない庭の木々がこれから何十年もかけて成長していくと、この家の佇まいはまた変わったものになるでしょう。経年を楽しみ、ともに時を重ねていく家。またしばらく経った頃に、もう一度お邪魔してみたいなと思いました。

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